加藤萬について

加藤萬の物創りの系譜



和装の意匠に欠かせないものとして、琳派と呼ばれる日本画流派があります。琳派とは、草花を題材とすることが多く、大胆な色彩や構図に力強い線などが特徴的な画風で俵屋宗達を始祖として尾形光琳により大成し、その後も脈々と受け継がれている日本画流派です。それは 日本画のみに留まることなく、様々な美術品や工芸品に至るまで意匠化され、今もなお脈々と受け継がれています。
弊社では先代の頃より、物創りの根幹として専門店指向に基づき、この琳派を表現し続けています。
琳派を特長とした著名な画家前田青邨、その弟子だった江崎孝坪と先代加藤萬治は修行先であった京都の和装小物問屋では、図案部と営業部と違いましたが、互いに刺激し合う同僚であったと聞きます。
開業時からずっと江崎図案を基にオリジナル和装小物を創作し、現在でも風呂敷をはじめ様々な商品に、その図案が活かされています。その後、江崎先生の弟弟子にあたる平岡政雄に受継がれました。
平岡政雄は琳派の模写に優れた図案家で加藤萬商品の骨格を形成しました。そして現在、平岡政雄のもとで学んだ井口通太郎が継承し、今の時代に合った琳派をテーマにした物創りに携わっています。